秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町(後編)

「昼飯を探して」

 さて、うまい水もゲットしたしあとはうまい飯だ、こっとん亭を目指し県道8号線を例によってニンニキニキニキ西を目指す。そう、あれは県道8号線が山道を下り越智川沿いの少し開けた所を走るようになると川の中にチラホラ鮎釣りの釣り人を見かけるようになる。釣りは奥が深い、と思う。釣れたら釣れたで楽しいし、釣れなければ釣れないで釣り糸の先に自分の姿を見る。「独り寒江の雪に釣る」雪を詠んだ柳宗元(りゅうそうげん)の傑作「江雪」の主人公は釣りをしているし、いにしえの太公望呂尚(りょしょう)は針なしの竿でやがて天下を釣り上げるのである。 

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青い空に白い雲、越智川は秋の気配どころか夏そのものである。

 国道312号線を超えて県道8号線を進む、いい加減お腹空いてきて我慢も限界に近づいて来たころに水車公園発見、目指すこっとん亭はこの中だ。むむむ、なんとしたこと、駐車場に車がない、嫌な予感がする。入口に近づいてみると「準備中」の看板が、、、それではみなさんご一緒に「ガーン」でも大丈夫、用意周到な山田はここに来るまでの道中、こっとん亭が万一閉まってた場合の事を考え、代わりに寄れるお店を探しながら来たのだ。早速何事もなっかの様に引き返し、こっとん亭の代わり「その1」を目指す。で、近かったのですぐに到着。お店の名前は「cafe ikoi」男一人で入るには少々躊躇するオシャレな感じのお店である。

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cafe ikoi  駐車場も広々安心。駐車場の横にどでかいひょうたんがなっていた。

木の質感を感じさせてくれる店内で「ランチは14時まで」の文字を発見。そうそう、そうだよね、と思いつつ時間を見るともう14時30分をまわっているではないか、ガーン。それでも店員さんに「ランチ出来ますか」としつこい山田。やっぱり断られてしまい仕方なくパンケーキだったかホットケーキを注文した。このお店、コーヒーにはこだわりがあるらしい。普通のお店ならパンケーキ、プラス300円でコーヒーとなるのだろうが「cafe ikoi」はコーヒーにプラス300円とか250円でパンケーキだったかホットケーキが付くのだ。コーヒー好きの山田はもちろん迷わずアイスカフェオレをご注文、深い味を堪能しつつきれいに盛り付けられたパンケーキを頂いた。

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胃袋的には足りないが気持ち的には可愛く盛り付けられたパンケーキに満足

 さて、お腹も落ち着いたしここより10kmほど北にある長谷ダムに行ってみる。なんでもエルビレッジおおかわちと言う日本最大級の揚水発電所を見学できるところがあるらしい。県道8号線から播但線沿いを走る県道404号線を北上し県道39号線を左折、どんどん山の中に入って行く。

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県道404号線沿いの寺前駅でパチリ 何故かこういう電車に惹かれる、何故だろう

「鉄ちゃんだからさ」 いやー、そんなことはないんですけど、少佐。

 「大人の遠足にもご配慮を」

 するとありましたよ、県道8号線から少し奥まったところにエルビレッジおおかわちが。アルプスの少女ハイジ風の建物で山の景色にすっかり溶け込んでおりいい雰囲気だ、これは期待出来る。駐車場からエルビレッジおおかわちの建物までの間に結構な階段があるのが難だが期待値の高さもありルンルン登る。入ってすぐの展示室には足元にこの周辺の大きなジオラマジオラマ好きな山田にはたまらない。壁にはのぞき穴などが配置されており子供たちが覗いている。そして天井には昭和レトロ風と言うか大正ロマン風と言うか山田的には懐かしい気がするオブジェ達が、人の一日の生活活動を立体的に展示されており、昼間は明るく、みな活動的であり夜は暗く、それでも働いている人がいたりしているのがうまく表現されており見ていて大変楽しい。

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エルビレッジおおかわち外観 ジオラマの展示室、外のにさりげなく置かれた導水管など以外に見るべきものはない。この手の施設は子供の遠足向け的な施設が多いが、入場料を取ってもいいので大人の知的欲求をも満たしてくれる施設が増えるのを期待してやまない。

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ジオラマ展示室の天井 オブジェ達が動き、光も変化する。見ていて楽しい。これを見にもう一回行ってもいいくらいだ。写真は夜の情景(だったと思う)

「まだ昼飯探し中」

 せっかくここまで来たのだからとすぐ北側にある長谷ダムにも寄ってみたが特にこれと言う事もなくすぐに引き返す。先程食べたパンケーキ効果もなくなり、とにかく何か食べたい。来た道を戻りつつご飯屋を探す。ない。国道312号線を南下していると結構交通量があるこの国道を亀がのそのそ横断していた。これは危ない、とちょっと進んだところでUターンして亀を助けに行ったのだが見当たらず。んー、腹が空きすぎて幻覚が見えたのか。とにかく竜宮城に行き損ねてしまったのは残念だ。そして福崎町あたりだったと思うが気になるお店を発見、その名は「SMG 真空管アンプ工房」今度は写真撮りました、幻覚ではありません、ハイ。空腹に負けて通り過ぎてしまったのがこれまた残念。

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SMG 真空管アンプ工房  山田は真空管アンプの音を聞いた事がない。「暖かい音」ぐらいのイメージがあるだけだ。昔のサンスイやオンキョーの音に近いのか?とにかく一度聴いてみたい。

「ただいま」

 お腹空いたし、道に迷うし、王将もスシローもお客さん並んでるし、だんだん暗くなってくるしで結局昼ご飯は「コンビニで適当に」になってしまった、残念。でも胃袋は喜んでいるようだ。神戸市内に入った頃にはあたりは真っ暗。あとは安全第一で家に帰るだけだ。今回は秋の気配も幻の巻き寿司も得られないままだったが、また次回の旅の楽しみとしたい。旅はまだまだ続くのだ。

 最後まで読んで頂いた読者のみなさま、ありがとうございました。また次回、一緒に旅に出られますように、感謝、合掌。

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家に帰るとお腹空かせたいずも君がゴロゴロしてました。すぐご飯にするからね。

 2020.08.29 走行距離204km