見せてもらおうか、赤穂の塩の実力とやらを(前編)

「2020年の夏」
時は元禄、2020年の夏、本来なら東京オリンピックが開催され多くの観光客と共にいつも以上に楽しい夏になるはずであった、が、新型コロナウィルスのおかげで状況は一変会食や外出の自粛が求められる世の中となってしまった。「あの年は大変だったよね」と、言える日が一日も早く来るのを只々祈るばかりである。

 さて、県外への移動自粛が求められる中、わたくし、山田の今回の車中泊の旅(泊は今回しないけど)のテーマは「塩」である。目玉焼きには塩、焼き肉にも塩、何事にも塩対応の山田は一路兵庫県赤穂市を目指すのであった。

「ステップワゴン君」
 まずは第二神明道路をスイスイ。通行料も安いし事故がなければ昼間は渋滞もあまりないので西へ向かう時はいつもこの道だ。曇り空で日差しもなく快適にスイスイ、スイスイ、スイスイだったが何故だかだんだん快適でなくなってきた。んんん、なんとしたこと、いつの間にかエアコンから快適な風が出なくなっているではないか。あちこちボタンをポチポチしてみたが快適な風は出てこない、どうした、スッテプワゴン君。

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快適な風が出てこないスッテプワゴン君 車中泊用の扇風機がまさかの大活躍

おっと、ご紹介が遅れてすいません、今回の旅の相棒は去年中古で購入したホンダ、スッテプワゴン君10歳 現在83000キロだ。この車の前は小さい車だったので車中泊もするようになったし大きな車にしよう、と思ったのだ。サードシートが床下に収納できるのが決め手。そんなこんなでエアコンなしだと今日はもちろん、明日からの生活にも支障をきたすので途中のサービスエリアからホンダに電話して修理の段取りをする。「この度はご迷惑をお掛け致しまして申し訳ございません」とホンダ宝塚インター店の人。丁寧だな、塩山田も是非見習いたいものだ。

「君は船を見たかい」
 第二神明道路から加古川バイパス、姫路バイパスを経てさらに西進、国道2号線相生陸橋を南に左折、道なりに進むと国道250号線に突き当たるので右折してまたニンニキニキニキ西へ向かう。この辺りまで来ると車の通行量はグッと減り木々の緑が目に優しい。ポツポツと降り出した雨も相まって千種川沿いを走る頃にはしっとりとしたいい雰囲気だ。千種川の川面を着物を着た船頭さんが渡し船を漕いでるのが見える、ような気がする。そんなしっとりとした千種川と国道が分離して間もなく、これまたしっとりとした赤穂の町に着いた。

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千種川の情景 心の澄んだ人には川面に渡し船が見えるらしい。

 「塩」
なにはともあれ、まずあこう蕎麦「衣笠」を目指す。赤穂駅前から南に伸びる道沿いにあり、すぐに到着。お昼ちょっと前だったからか空いている。駐車場があるのがありがたい。さて、なぜそもそそも「衣笠」なのか?それは、えー、山田の読んでる日経新聞に「食紀行」というコーナーがあり、そこでこの「衣笠」が紹介されていたのが主な理由である。記事にはこの店の人気商品として「赤穂塩ねぎ蕎麦」があり「ネギがあまり好きではない人にも好評」と長いネギがどんぶり一杯にドーンと乗ってる写真がドーンと載っていた。鍋物でもネギはいっさい食べない山田にはなかなかのインパクトだ。「ご注文お決まりでしたらお呼びくださいね」とお店の人「ネギが好きではない」山田、どうする?

 メニューと相談した結果「にく蕎麦」890円なーりーをご注文。ネギドーン蕎麦はあまりにハイリスクであると判断したのだ。で、やって来た「にく蕎麦」これにも結構な量のネギが乗っかっており、「塩ネギは食べてみたい」が「少しでいい」という山田の判断が賢明であった事が裏付けられたようだ。さて、塩ネギのお味の方はと言うと、ネギ独特の苦みと言うか辛みと言うか、普段ネギを食べないので表現しにくいのだがネギネギした味がない。良く言えば食べやすい、悪く言えばネギらしくない味だ。山田的にはネギ嫌いの方にはお勧めしない。だが、蕎麦や出汁は美味しく、出汁はいつものように全て飲み干したのだ、ごちそうさま。会計の時、近くに塩関係の特産品やお土産を売ってる所はないかと聞いたところ、二軒隣に塩饅頭を売ってるお饅頭屋さんがあると言うではないか、お礼を言い「衣笠」を出た。

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にく蕎麦だがなかなかのネギっぷり。写真には写っていないが鱧の天婦羅も頂きました。肉厚で美味しかったです。

 見せてもらおうか、赤穂の塩の実力とやらを(後編)に続く