秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町(前編)
「プロローグ」
そろそろ秋の気配が感じられる8月の終わり、のはずだがニュースでは「熱中症」の言葉を聞かぬ日はない猛暑の毎日。秋は一体どこまで来ているのかと、安倍首相の辞任のニュースと共に気になる所であるが、もう一つ、兵庫県の多可町と言うところに昼には売り切れるという、テレビでも紹介された事もある幻の巻き寿司があるらしい、と言うのも気になる所。今回の車中泊の旅(泊は今回もしないけど)は兵庫県の山中に、秋の気配と幻の巻き寿司を探しに、しっかりお持ち帰りの巻き寿司用のクーラーボックスも忘れず準備した用意周到な山田は一路兵庫県多可町を目指すのであった。
「次回は電話忘れずに」
まずは国道428号線を北に向かう。神戸の中心街から10分しか走ってないのにもう景色は爽やかな六甲山の緑の中だ。信号も少なくついさっきまでの町なかのムシムシゴミゴミが嘘のようだ。しばらく走ったのち、用意周到な山田は幻の巻き寿司屋に予約の電話をした。なにせ昼には売り切れるのだ、ここは予約しておくのが常識ある社会人というものであろう。ジリリリリ「あのー、今日の巻き寿司の予約をしたいのですが」「当日は予約出来ません」とな。アー、ナンタルチア「昼前にそちらに着くと思うのですが残ってますかね?」と食い下がる山田、「多少余分に作っていますが、なくなったら終わりです」とあっさり。うんうん、さもありなん。実は巻き寿司屋を教えてくれた友人が予約しといた方がいいよ、と言っていたので昨日予約の電話をするつもりだったのだがすっかり忘れてしまい、思い出したのはお店の閉店時間を過ぎてからだったのだ。うーん、常識ある社会人になるのはなかなか難しい。
「マイスター工房八千代」
国道428号線を北上し、県道17号線を左折しニンニキニキニ西へ向かう。景色は田園風景に変わり、青い空には白い雲がポツポツ浮いている。鼻歌の一つでも出てきそうな風景だがどうも時間が気になってしょうがない。県道17号線から国道175号線に入り北上するころには11時をまわっていた。上戸田南を左折し国道427号線に入る。道は相変わらずスイスイ。車と周りに見える人工物がだんだん減っていき、田舎度、いや快適度と言うか鼻歌度がだんだん上がってくる。県道295号線に入る頃にはこの先そんな大人気店がホントにあるのかと言うくらいの鼻歌度の上がりようである。県道143号線に突き当たり右折、北上するとありました、幻の巻き寿司店「マイスター工房八千代」時間は11時45分、果たして幻の巻き寿司はまだあるのか、果たして結果はー、ジャカジャン。
「山田と山田錦」
ガーン!駐車場に車を入れると同時に目に入るのはこの看板。ちなみにガーンと言うのは昭和人の特徴らしいです。それでは皆さんご一緒に、ガーン。それでも何か残ってないかと体温をしっかり測られてご入店。昼飯はここの巻き寿司でと思っていたので昼飯抜きはあんまりなのだ。そこで見つけた「山里ころっけ」330円なーりーをお買い上げ、これはこれで楽しみだ。ちゃんとした昼飯を確保すべく国道沿いにある「道の駅 山田錦発祥のまち 多可」に行く、食堂がない。それでは皆様、ご一緒に「ガーン」正確にはおにぎり屋さんみたいな軽食コーナーがあるのだがこれでは山田の胃袋は満足できない。取り敢えず先程の「山里ころっけ」を頂く。んんん、未体験の味に黒コショウがピリリ。原材料名を見てみると「おから」とある。おからのドーナツはすっかり定番となったがおからコロッケも定番となるであろうか。おから業界の未来に幸あれなのだ。ちなみにお酒好きな諸兄はお気付きだろうが山田錦は「酒米の王」と呼ばれ道の駅店内では日本酒が売られていた、以上。山田は酒を飲まないのでこれ以上はよく分からないのだ。山田錦「山田のくせに分からんのかーい」と言う突込みはなしでお願いします。
「昼飯への旅」
さて、昼飯はどうしたものかと困った時の昭文社「ツーリングマップル」なのである。なになに、ここから20㎞ほど先に「こっとん亭」なるものがあり「水車でついた水車米のおにぎりや麦とろ定食が自慢」とな。通り道に「平成の名水百選 松か井の水」もあるしこれが噂の一石二鳥と言うやつか、早速国道427号線を北上し寺内交差点を左折、県道8号線をズンズン登って行く。するとありましたよ、道路南側に立派な水汲み場が、さすが平成の名水百選。水は夏場にもかかわらず冷たくて気持ちいい。早速頂こうと思ったが「生では飲まないで」とまたもや非情な看板が、残念。でも大丈夫、用意周到な山田はペットボトル持参なのだ。まわりには大量のペットボトルやポリタンクを持参した人が途切れずやって来る、やはり人気なのだ。で、肝心の味の方だが今、「松か井の水」で淹れたコーヒーを飲みながらブログを書いている、と言うかボタンをポチポチしているのだが、いつもよりコーヒーがまろやかになった気がする。もし読者の皆様が今回の山田のブログがいつもよりまろやかだと感じる方がいらっしゃるならそれは間違いなく「松か井の水」の効果である。
秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町(後編)に続く