人の造りしもの、丹波焼の里を訪ねて。兵庫県篠山市(後編)
「獅子銀」陶の郷店
「くりの実」は満席だったが、こんなこともあろうかと「陶の郷」にもレストランがあることを用意周到な山田はリサーチ済みである。またフラフラと自転車の旅を続け、「陶の郷」にあるレストラン「獅子銀」に入る。小上がりがあるのが嬉しい。数あるメニューの中から「立杭定食」(1200円税抜)をご注文、そばとご飯が両方セットになっていたのが決め手だ。その中に丹波鶏の唐揚げがあるのだが、ふだん薄味の食事をしている山田から見ても非常に薄味で鶏の味がストレートに分かり好感が持てる。地元産の野菜やお米を使っているらしいが美味しく頂きました、ごちそうさま。
「丹文窯」
満腹になりすっかり満足しているとそろそろ本日のメインイベント、陶芸体験の時間が近づいて来たので本日お世話になる「丹文窯」へ向かう。「あのー、陶芸体験を予約していた山田ですけど」「どーぞどーぞこちらへ」とエプロンを貸して頂き、あれよあれよと陶芸と言えばこれ、例のグルグル回る機械の前へ。山田は陶芸初体験で,イメージとして学校の教室の様なところで20~30人の生徒さん相手に先生一人が「はーい、みなさん始めますよー、準備いいですかー」みたいな事を勝手に想像していたのだが、ここではほぼマンツーマンで教えてくれた。では、心鎮める間もないままグルグル陶芸体験スタート。
始める前に先生がお手本を見せてくれながら手や指の使い方を教えてくれたのだが、いざ山田が始めてみると出来ない、と言うかやり始めると頭から言われていた事が飛んでしまい、先生から同じ注意を何度も受ける。これが老化かぁと、作っているマグカップと共に山田もへこんでしまいそうである。それでもなんとか先生に大いに手伝ってもらいマグカップらしきものを完成させた。やり切った感がどっと出る。見ていると簡単そうなグルグル陶芸だったがやってみると大違いだった。手も足も出ないまま終わってしまった、これが陶芸初体験の山田の素直な感想だ。
「人の造りしもの」
陶芸体験も無事こなし、また「陶の郷」に戻ってきた。そう言えば「陶の郷」には何があるのだろう、自転車借りるときに入場料200円払ってるし中を覗いてみることにした。中には丹波焼の作品が、50軒以上の窯元ごとブースに分かれて展示販売されておりとても見やすい。各窯元の特徴みたいなのも掴みやすく、同じ窯元でも作った人が違うのかと思わせる作風の違いがあったりして面白い。陶芸好きな方にはパラダイスになること間違いなし。自転車の旅で気付いたのだが窯元はあちらこちらに点在しており見て回るの大変だな、と思っていたのでここはいいアイデアだと思う。そうそう、陶芸体験でお世話になった「丹文窯」の作品も見ておかねばと見てみれば、草間彌生ばりのなかなかの攻めっぷりの作品が並んでいる。この先駆的な窯元で陶芸体験が出来たことは山田にとって自慢である。
「丹波と言えば」
丹波と言えば黒豆、黒豆と言えば丹波なのだが、いいのありますよ、お客さん。と言うわけで「丹波立杭 黒豆珈琲」を「陶の郷」の売店で発見、お買い上げ、700円也(税抜き)「サイフォンより紙フィルターの方が美味しく頂けます」とあるので紙フィルターでコーヒーを淹れいつものようにカフェオレを作る。粗目に挽かれたコーヒーに同じく粗目に挽かれた黒豆が1割2割入っていてかすかに黒豆の香りがする。味はまろやかと言うかフルーティーと言うか、山田の好きな味だ。今、このブログを黒豆珈琲を飲みながら書いていると言うか打っているのだが、「今日の山田のブログはフルーティーだな」と思っていたそこのあなた、そんなあなたにはこの「丹波立杭珈琲」をお勧めします。
「ただいま」
今回の体験陶芸で山田の作ったマグカップらしきものが1か月後ぐらいに出来上がるらしい。来月また丹波を訪問し、今回行けなかった兵庫陶芸美術館などにも行ってみようと思う。前回の旅では秋を見つける事は出来なかったが今回秋は確実に近づいていた。そろそろ車中泊に行けそうだ、今度はどこに行こうかと地図を見るのが楽しい毎日が続く。
最後まで読んで頂いた読者のみなさま、ありがとうございました。また次回、一緒に旅に出られますように、感謝、合掌。
旅日 2020.09.20(日)
人の造りしもの、丹波焼の里を訪ねて。兵庫県篠山市(前編)
「エピローグ」
「ネンオシャチエブクトーバシメ」山田はいつも出発前に呪文を唱える。別にこの呪文でヒットポイントが回復したり寝不足が解消されたりしないのが残念だが、この呪文は点検の呪文なのだ。ネン=燃料(ガソリン)オ=オイル、シャ=車輪、チエ=チェーン、ブ=ブレーキ、ク=クラッチ、トー=灯火類、バ=バッテリー、シメ=ボルトの締め増し、この呪文を唱えながらいつものようにステップワゴン君の周りをグルっと周る。すると、車体左側の下の方、ガリガリッと何かでこすった様な傷があるではないか!まあビッグでグレイトな山田はそんなことは全く気にしないのだが、気のせいではないかと、さりげなくもう一周回ってみたり、ただの汚れかもと、さりげなくタオルで拭いたりしてみたがやっぱり何かでこすった様の傷はしっかり何かでこすった様な傷だった、あーあ。
さて、前置きが少し長くなってしまったが今回の車中泊の旅(今回は車中泊はしないけど)は少し趣を変えて陶芸なのである、そうあの陶芸。最近は新型コロナの影響で外国の観光客もほとんどいないが外国人観光客にあのスシ、ゲイシャに次ぐ人気、かも知れないトウゲイである。ここは日本人として陶芸のひとつでも出来なければ今後のおもてなし活動に支障がでるやも知れぬ、と勝手に思い立ち、今回の旅は丹波焼の里、兵庫県篠山市今田を目指すのだ。
「無事これ名馬」
まずは国道428号線を北に向かう。神戸の中心街から10分しか走ってないのにもう景色は爽やかな六甲山の緑の中だ、、と前回の「秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町」でも見掛けた様な書き出しで申し訳ないのだが同じなのでしょうがない。そんな紅葉にはまだ早い緑の中をぐんぐん北上する。428号線の北端、「吉川インターチェンジ」を右折、そして県道512号線に入りまたぐんぐん北上する。六甲山も抜けてこのあたりはのどかな田園風景が広がる。314号線に入りぐんぐん北上していると交通事故を見た。事故を起こしたい人などいないと思うがなかなか無くならない。「お土産は無事故でいいよ、お父さん」(山田の場合。人によってはお母さんでも可)なのである。こころと財布には余裕を持ちたいものである。県道75号線を東へ向かい県道292号線に入れば目指す「陶の郷」(すえのさと)はもうすぐだ。
「レンタルサイクルとは」
開店5分前、無事「陶の郷」に到着。今回なぜこんなに早く来たかと言うとレンタルサイクルを借りるためなのだ。「陶の郷」にはレンタルサイクルがあるのだがそんなに台数はないであろうと用意周到な山田は読んだのである、さすがビッグでグレイトだ。開店と同時に受付を済ませてレンタルサイクルとご対面~となるわけだがそのレンタルサイクル、駅前の放置自転車と大差ないレベル、う~ん。係りのお姉さんが空気入れでシュコシュコ空気を一生懸命入れてくれるのだがそれも申し訳ないくらい。「陶の郷」の予算関係の部署の方、お読みでしたらいろいろご事情もおありと思いますがレンタルサイクルの更新をお願いします。
「自転車の旅」
そんな空気も油も不足気味の自転車に乗って、受付で貰った地図を頼りにまずは「おみの木」を目指す、すぐ着いた。「陶の郷」から川を挟んで反対側、巨木の威容は遠目にもひときわ目立つ。アベマキの木としては兵庫県最大らしい。根元にある小さな祠にまずはお参りをする。「おみの木」のすぐ隣にはこれまた「丹波焼最古の登窯」があり、兵庫県指定の文化財となっている。この二人のおじいさん達(おばあさん達でも可)は「今日も平和じゃのぉ」みたいな会話をしているのだろうか、そんな二人に見守られて山田の自転車はフラフラ北上する。
「自転車の良さ」
このレンタル自転車、ボロだがふだん山田が乗る自転車に比べてサドルのケツ当たりがいいと言うかお尻に優しいのが嬉しい。少し行くと古い神社を見つけた。お参りに立ち寄る。名を「住吉神社」と言い1653年、立杭村成立時に小野原住吉神社から分祀されたこのあたりの氏神様らしい。柏手を打つ音が森に響く。
自転車で更に進むと道端に栗が落ちているではないか、もったいない。栗と言えば山田にとっては高級食材のイメージ。丹波の山里は自然が豊かな証拠か、そう言えば丹波では杉の植林をあまり見なかった気がする。焼き物の燃料には木材を使用するから自然林が残ったのか、ダイバーシティ(多様性)で豊かになるのは自然も企業も同じなのだ。そんな栗を見ていたらそろそろお腹が空いてきた。どこかいいお店はないかなと、探しながら進むとありましたよ、M's Dining「くりの実」おぉ、これは運命的な出会い、と喜び勇んでお店に入るが本日はご予約で満席と丁寧にお断りされてしまいました。まあビッグでグレイトな山田は気にしないけどまた昼飯難民の予感が、、。
秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町(後編)
「昼飯を探して」
さて、うまい水もゲットしたしあとはうまい飯だ、こっとん亭を目指し県道8号線を例によってニンニキニキニキ西を目指す。そう、あれは県道8号線が山道を下り越智川沿いの少し開けた所を走るようになると川の中にチラホラ鮎釣りの釣り人を見かけるようになる。釣りは奥が深い、と思う。釣れたら釣れたで楽しいし、釣れなければ釣れないで釣り糸の先に自分の姿を見る。「独り寒江の雪に釣る」雪を詠んだ柳宗元(りゅうそうげん)の傑作「江雪」の主人公は釣りをしているし、いにしえの太公望呂尚(りょしょう)は針なしの竿でやがて天下を釣り上げるのである。
国道312号線を超えて県道8号線を進む、いい加減お腹空いてきて我慢も限界に近づいて来たころに水車公園発見、目指すこっとん亭はこの中だ。むむむ、なんとしたこと、駐車場に車がない、嫌な予感がする。入口に近づいてみると「準備中」の看板が、、、それではみなさんご一緒に「ガーン」でも大丈夫、用意周到な山田はここに来るまでの道中、こっとん亭が万一閉まってた場合の事を考え、代わりに寄れるお店を探しながら来たのだ。早速何事もなっかの様に引き返し、こっとん亭の代わり「その1」を目指す。で、近かったのですぐに到着。お店の名前は「cafe ikoi」男一人で入るには少々躊躇するオシャレな感じのお店である。
木の質感を感じさせてくれる店内で「ランチは14時まで」の文字を発見。そうそう、そうだよね、と思いつつ時間を見るともう14時30分をまわっているではないか、ガーン。それでも店員さんに「ランチ出来ますか」としつこい山田。やっぱり断られてしまい仕方なくパンケーキだったかホットケーキを注文した。このお店、コーヒーにはこだわりがあるらしい。普通のお店ならパンケーキ、プラス300円でコーヒーとなるのだろうが「cafe ikoi」はコーヒーにプラス300円とか250円でパンケーキだったかホットケーキが付くのだ。コーヒー好きの山田はもちろん迷わずアイスカフェオレをご注文、深い味を堪能しつつきれいに盛り付けられたパンケーキを頂いた。
さて、お腹も落ち着いたしここより10kmほど北にある長谷ダムに行ってみる。なんでもエルビレッジおおかわちと言う日本最大級の揚水発電所を見学できるところがあるらしい。県道8号線から播但線沿いを走る県道404号線を北上し県道39号線を左折、どんどん山の中に入って行く。
「大人の遠足にもご配慮を」
するとありましたよ、県道8号線から少し奥まったところにエルビレッジおおかわちが。アルプスの少女ハイジ風の建物で山の景色にすっかり溶け込んでおりいい雰囲気だ、これは期待出来る。駐車場からエルビレッジおおかわちの建物までの間に結構な階段があるのが難だが期待値の高さもありルンルン登る。入ってすぐの展示室には足元にこの周辺の大きなジオラマ。ジオラマ好きな山田にはたまらない。壁にはのぞき穴などが配置されており子供たちが覗いている。そして天井には昭和レトロ風と言うか大正ロマン風と言うか山田的には懐かしい気がするオブジェ達が、人の一日の生活活動を立体的に展示されており、昼間は明るく、みな活動的であり夜は暗く、それでも働いている人がいたりしているのがうまく表現されており見ていて大変楽しい。
「まだ昼飯探し中」
せっかくここまで来たのだからとすぐ北側にある長谷ダムにも寄ってみたが特にこれと言う事もなくすぐに引き返す。先程食べたパンケーキ効果もなくなり、とにかく何か食べたい。来た道を戻りつつご飯屋を探す。ない。国道312号線を南下していると結構交通量があるこの国道を亀がのそのそ横断していた。これは危ない、とちょっと進んだところでUターンして亀を助けに行ったのだが見当たらず。んー、腹が空きすぎて幻覚が見えたのか。とにかく竜宮城に行き損ねてしまったのは残念だ。そして福崎町あたりだったと思うが気になるお店を発見、その名は「SMG 真空管アンプ工房」今度は写真撮りました、幻覚ではありません、ハイ。空腹に負けて通り過ぎてしまったのがこれまた残念。
「ただいま」
お腹空いたし、道に迷うし、王将もスシローもお客さん並んでるし、だんだん暗くなってくるしで結局昼ご飯は「コンビニで適当に」になってしまった、残念。でも胃袋は喜んでいるようだ。神戸市内に入った頃にはあたりは真っ暗。あとは安全第一で家に帰るだけだ。今回は秋の気配も幻の巻き寿司も得られないままだったが、また次回の旅の楽しみとしたい。旅はまだまだ続くのだ。
最後まで読んで頂いた読者のみなさま、ありがとうございました。また次回、一緒に旅に出られますように、感謝、合掌。
2020.08.29 走行距離204km
秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町(前編)
「プロローグ」
そろそろ秋の気配が感じられる8月の終わり、のはずだがニュースでは「熱中症」の言葉を聞かぬ日はない猛暑の毎日。秋は一体どこまで来ているのかと、安倍首相の辞任のニュースと共に気になる所であるが、もう一つ、兵庫県の多可町と言うところに昼には売り切れるという、テレビでも紹介された事もある幻の巻き寿司があるらしい、と言うのも気になる所。今回の車中泊の旅(泊は今回もしないけど)は兵庫県の山中に、秋の気配と幻の巻き寿司を探しに、しっかりお持ち帰りの巻き寿司用のクーラーボックスも忘れず準備した用意周到な山田は一路兵庫県多可町を目指すのであった。
「次回は電話忘れずに」
まずは国道428号線を北に向かう。神戸の中心街から10分しか走ってないのにもう景色は爽やかな六甲山の緑の中だ。信号も少なくついさっきまでの町なかのムシムシゴミゴミが嘘のようだ。しばらく走ったのち、用意周到な山田は幻の巻き寿司屋に予約の電話をした。なにせ昼には売り切れるのだ、ここは予約しておくのが常識ある社会人というものであろう。ジリリリリ「あのー、今日の巻き寿司の予約をしたいのですが」「当日は予約出来ません」とな。アー、ナンタルチア「昼前にそちらに着くと思うのですが残ってますかね?」と食い下がる山田、「多少余分に作っていますが、なくなったら終わりです」とあっさり。うんうん、さもありなん。実は巻き寿司屋を教えてくれた友人が予約しといた方がいいよ、と言っていたので昨日予約の電話をするつもりだったのだがすっかり忘れてしまい、思い出したのはお店の閉店時間を過ぎてからだったのだ。うーん、常識ある社会人になるのはなかなか難しい。
「マイスター工房八千代」
国道428号線を北上し、県道17号線を左折しニンニキニキニ西へ向かう。景色は田園風景に変わり、青い空には白い雲がポツポツ浮いている。鼻歌の一つでも出てきそうな風景だがどうも時間が気になってしょうがない。県道17号線から国道175号線に入り北上するころには11時をまわっていた。上戸田南を左折し国道427号線に入る。道は相変わらずスイスイ。車と周りに見える人工物がだんだん減っていき、田舎度、いや快適度と言うか鼻歌度がだんだん上がってくる。県道295号線に入る頃にはこの先そんな大人気店がホントにあるのかと言うくらいの鼻歌度の上がりようである。県道143号線に突き当たり右折、北上するとありました、幻の巻き寿司店「マイスター工房八千代」時間は11時45分、果たして幻の巻き寿司はまだあるのか、果たして結果はー、ジャカジャン。
「山田と山田錦」
ガーン!駐車場に車を入れると同時に目に入るのはこの看板。ちなみにガーンと言うのは昭和人の特徴らしいです。それでは皆さんご一緒に、ガーン。それでも何か残ってないかと体温をしっかり測られてご入店。昼飯はここの巻き寿司でと思っていたので昼飯抜きはあんまりなのだ。そこで見つけた「山里ころっけ」330円なーりーをお買い上げ、これはこれで楽しみだ。ちゃんとした昼飯を確保すべく国道沿いにある「道の駅 山田錦発祥のまち 多可」に行く、食堂がない。それでは皆様、ご一緒に「ガーン」正確にはおにぎり屋さんみたいな軽食コーナーがあるのだがこれでは山田の胃袋は満足できない。取り敢えず先程の「山里ころっけ」を頂く。んんん、未体験の味に黒コショウがピリリ。原材料名を見てみると「おから」とある。おからのドーナツはすっかり定番となったがおからコロッケも定番となるであろうか。おから業界の未来に幸あれなのだ。ちなみにお酒好きな諸兄はお気付きだろうが山田錦は「酒米の王」と呼ばれ道の駅店内では日本酒が売られていた、以上。山田は酒を飲まないのでこれ以上はよく分からないのだ。山田錦「山田のくせに分からんのかーい」と言う突込みはなしでお願いします。
「昼飯への旅」
さて、昼飯はどうしたものかと困った時の昭文社「ツーリングマップル」なのである。なになに、ここから20㎞ほど先に「こっとん亭」なるものがあり「水車でついた水車米のおにぎりや麦とろ定食が自慢」とな。通り道に「平成の名水百選 松か井の水」もあるしこれが噂の一石二鳥と言うやつか、早速国道427号線を北上し寺内交差点を左折、県道8号線をズンズン登って行く。するとありましたよ、道路南側に立派な水汲み場が、さすが平成の名水百選。水は夏場にもかかわらず冷たくて気持ちいい。早速頂こうと思ったが「生では飲まないで」とまたもや非情な看板が、残念。でも大丈夫、用意周到な山田はペットボトル持参なのだ。まわりには大量のペットボトルやポリタンクを持参した人が途切れずやって来る、やはり人気なのだ。で、肝心の味の方だが今、「松か井の水」で淹れたコーヒーを飲みながらブログを書いている、と言うかボタンをポチポチしているのだが、いつもよりコーヒーがまろやかになった気がする。もし読者の皆様が今回の山田のブログがいつもよりまろやかだと感じる方がいらっしゃるならそれは間違いなく「松か井の水」の効果である。
秋の気配と幻の巻き寿司を探して 兵庫県多可町、神河町(後編)に続く
見せてもらおうか、赤穂の塩の実力とやらを(後編)
「A地点とB地点のあいだ」
「衣笠」で教えてもらった二軒隣のお饅頭屋さんを目指す途中、つまり一軒隣にドーンとデカいソフトクリームの看板が出ているお店があった。どうやらお茶屋さんの様である。普段なら入ることはないようなお店であるが、快適な風の出ないスッテプワゴン君でここまで来た山田はソフトクリームに惹かれお店に吸い寄せられる。店内には様々なお茶が置いてある。山田、ここで大胆にもご店主に塩関連の商品があるかと尋ねてみると、なんと「ある」言うではないか、さすが塩の町、赤穂、できるな。その名も「抹茶鹽」(まっちゃしお)ご丁寧に試食もさせて頂きました。最初に抹茶の優雅な香りが漂い、あとからシャープな塩の味が来る、これはいい。塩を試食してる間にもソフトクリームを買いに来る客が、、、おっと、そうだった、ソフトクリームを食わねば。で、さすがはお茶屋さん、ソフトクリームは抹茶味一択だ。作ってもらいつつ店内を見回すと抹茶の価格が安いのと高いのでは数倍違う。ご店主に伺うと安いのと高いのでは抹茶の「甘み」が違うらしい。じゃあ山田が子供の頃に飲んだ抹茶は安い抹茶だったのかな、と思いつつ、最近は何でも抹茶味や抹茶風味が流行っているが、ホントの抹茶を飲んだのはいつだったかなと、斜め上42度ほどを見上げずにはいられなかった、播州赤穂「茶舗わかさ」だった。
「B地点」
ソフトクリームで思わぬ寄り道をしてしまったがやっと目的のお饅頭屋さん「かん川本舗」に到着。早速塩饅頭を探す、すぐに店員さんが教えてくれた。プレーンの塩饅頭と抹茶味の塩饅頭がセットになってるやつがあるではないか。もしかして1軒目のお茶屋さんとのコラボか?最近はシナジーとも言われたりもするらしいがそのシメジではない、シナジーの効果の成果、各味3個ずつ、計6個のやつをお買い上げ、669円なり。これはいいお土産が出来た、と言っても家で留守番してる猫二人は食べないけどね。なお、コラボかどうかは未確認なので気になる方は味と共に各自でご確認の方、お願いします。
「昭和とは」
腹も膨らんだしお土産もゲットしたし海沿いをドライブしてみる。県道32号線を赤穂から相生方面、北東方面へ。昭文社ツーリングマップルには「快適なドライブウェイ」とある。そう、山田はナビよりも紙の地図が好きだ。地図を見ているとどこまでも行ける気がする。実際この地図と共にバイクにテントを積んで南は鹿児島から、北は北海道まであちこち行った。そんな地図に道の途中、丸山キャンプ場「無料」とある。無料、割引、低料金にはめっぽう弱い山田、後学のためにもぜひ偵察しておかねば。その丸山キャンプ場、波打ち際の、これで無料でいいのかと思えるロケーションの中にある。今日は雨が降っているが連休のせいか利用客も多い。無料なのでサービス的なことは期待できないがトイレと水場があればOKな方にはお勧め。
丸山キャンプ場をあとにしてまた県道32号線を東北に向かう。雨のせいで空はどんより、右側に見えてる海もつられてどんよりしている。左側はずっと山が続いている。そんな景色の中、アース製薬の工場がドーンと現れる。アース製薬と言えば山田はグルグル渦巻き線香を思い出す。グルグル線香と言えば金鳥!と言う方もいらっしゃるだろうが金鳥グルグルは高級品なのだ。最近は蚊取り線香と言えばノーマットが主流だがノスタルジックな線香の香りは山田をなつかし昭和に引き戻す。レコードやカセットテープもそうだ。今の若い人たちも時が過ぎ、なつかしい記憶に出会ったとき、平成っぽいとか令和っぽいとかと言う日が来るのだろうか。いや、昭和はやはりいつまでも特別な気がする。
「そして神戸」
県道32号線から国道250号線に入り姫路方面へ。また海沿いを走るのだが突然巨大煙突が表れたりして写真をパチリ。しばらく走って道の駅「みつ」に到着。雨も結構降ってきた。この道の駅「みつ」植木も売っていてしかも安い。悩みつつ植木売り場をウロウロ、んんんんー、決着つかず店内売り場へ。そこで見つけたカキフライバーガー、半額、残り1個、これは迷わずゲットー!割引に山田は弱いのだ。これで物欲が満たされたのか植木はまた次回の楽しみにしておこう。何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し、腹八分目なのだ。さあ、これ食べたら神戸に帰ろう。
「ただいま」
「お土産は 無事故でいいよ お父さん」さて無事に帰って参りました。今までたくさん旅をしてきたが今回初めて旅行記録みたいなものを書いてみた。書いてみて思ったが今まで行った旅はどれも楽しかったのだが、忘れていることも結構ある。今回の旅行記録は、今回の旅を、忘れっぽくなった山田の頭に、再び旅をインプットするいい作業となった。拙い文章で読みにくかったと思うが最後まで読んで頂いた読者のみなさま、ありがとうございました。また次回、一緒に旅に出られますように。感謝、合掌。
見せてもらおうか、赤穂の塩の実力とやらを(前編)
「2020年の夏」
時は元禄、2020年の夏、本来なら東京オリンピックが開催され多くの観光客と共にいつも以上に楽しい夏になるはずであった、が、新型コロナウィルスのおかげで状況は一変会食や外出の自粛が求められる世の中となってしまった。「あの年は大変だったよね」と、言える日が一日も早く来るのを只々祈るばかりである。
さて、県外への移動自粛が求められる中、わたくし、山田の今回の車中泊の旅(泊は今回しないけど)のテーマは「塩」である。目玉焼きには塩、焼き肉にも塩、何事にも塩対応の山田は一路兵庫県赤穂市を目指すのであった。
「ステップワゴン君」
まずは第二神明道路をスイスイ。通行料も安いし事故がなければ昼間は渋滞もあまりないので西へ向かう時はいつもこの道だ。曇り空で日差しもなく快適にスイスイ、スイスイ、スイスイだったが何故だかだんだん快適でなくなってきた。んんん、なんとしたこと、いつの間にかエアコンから快適な風が出なくなっているではないか。あちこちボタンをポチポチしてみたが快適な風は出てこない、どうした、スッテプワゴン君。
おっと、ご紹介が遅れてすいません、今回の旅の相棒は去年中古で購入したホンダ、スッテプワゴン君10歳 現在83000キロだ。この車の前は小さい車だったので車中泊もするようになったし大きな車にしよう、と思ったのだ。サードシートが床下に収納できるのが決め手。そんなこんなでエアコンなしだと今日はもちろん、明日からの生活にも支障をきたすので途中のサービスエリアからホンダに電話して修理の段取りをする。「この度はご迷惑をお掛け致しまして申し訳ございません」とホンダ宝塚インター店の人。丁寧だな、塩山田も是非見習いたいものだ。
「君は船を見たかい」
第二神明道路から加古川バイパス、姫路バイパスを経てさらに西進、国道2号線相生陸橋を南に左折、道なりに進むと国道250号線に突き当たるので右折してまたニンニキニキニキ西へ向かう。この辺りまで来ると車の通行量はグッと減り木々の緑が目に優しい。ポツポツと降り出した雨も相まって千種川沿いを走る頃にはしっとりとしたいい雰囲気だ。千種川の川面を着物を着た船頭さんが渡し船を漕いでるのが見える、ような気がする。そんなしっとりとした千種川と国道が分離して間もなく、これまたしっとりとした赤穂の町に着いた。
「塩」
なにはともあれ、まずあこう蕎麦「衣笠」を目指す。赤穂駅前から南に伸びる道沿いにあり、すぐに到着。お昼ちょっと前だったからか空いている。駐車場があるのがありがたい。さて、なぜそもそそも「衣笠」なのか?それは、えー、山田の読んでる日経新聞に「食紀行」というコーナーがあり、そこでこの「衣笠」が紹介されていたのが主な理由である。記事にはこの店の人気商品として「赤穂塩ねぎ蕎麦」があり「ネギがあまり好きではない人にも好評」と長いネギがどんぶり一杯にドーンと乗ってる写真がドーンと載っていた。鍋物でもネギはいっさい食べない山田にはなかなかのインパクトだ。「ご注文お決まりでしたらお呼びくださいね」とお店の人「ネギが好きではない」山田、どうする?
メニューと相談した結果「にく蕎麦」890円なーりーをご注文。ネギドーン蕎麦はあまりにハイリスクであると判断したのだ。で、やって来た「にく蕎麦」これにも結構な量のネギが乗っかっており、「塩ネギは食べてみたい」が「少しでいい」という山田の判断が賢明であった事が裏付けられたようだ。さて、塩ネギのお味の方はと言うと、ネギ独特の苦みと言うか辛みと言うか、普段ネギを食べないので表現しにくいのだがネギネギした味がない。良く言えば食べやすい、悪く言えばネギらしくない味だ。山田的にはネギ嫌いの方にはお勧めしない。だが、蕎麦や出汁は美味しく、出汁はいつものように全て飲み干したのだ、ごちそうさま。会計の時、近くに塩関係の特産品やお土産を売ってる所はないかと聞いたところ、二軒隣に塩饅頭を売ってるお饅頭屋さんがあると言うではないか、お礼を言い「衣笠」を出た。
見せてもらおうか、赤穂の塩の実力とやらを(後編)に続く